お墓に使われている「御影石」は、耐候性に富んだ素材であり、だからこそ「孫子の代まで残したい」という理由からお墓に使われてきたとも言えます。
しかしながら、長い年月を風雨にさらされることでメンテナンスが必要になる場合もあります。
適度なメンテナンスは、お墓の寿命を延ばすとともに、お墓の印象を一新することができます。
また、このページでは「いつかは訪れるあの時」に必要となる、お名前の彫刻についてもお伝えします。
お墓のお手入れでもっともご相談が多いのが、文字のスミ入れです。
特に白系の石の場合、石を彫刻した部分も白っぽい色になるので、文字が見えやすくなるように彫刻を施した上から着色します。
そのため、数年経つと着色した部分が色褪せてしまい、「スミ入れ」が必要となります。
*黒系の石の場合、石を彫刻した部分が白っぽくなるので、着色しなくても視認に充分な程度に濃淡のコントラストが出ます。
自然な風合いでもあり、お手入れも不要となるため、弊社では黒系の石の場合は着色しない仕上げをおススメしています。
石と石の間の「目地」の補修も、ご相談いただくことが多いメニューです。
石自体は耐候性のある素材なのですが、目地に使われいるシリコン系のコーキング材はゴム質の素材であり、経年劣化により縮んで小さくなる「痩せ」た状態になります。
このような状態になると、石と石の間から水が浸透し、冬季間に凍結と融解を繰り返すことによって凍害が発生します。
こうなると、石材が剥離したり、コンクリートが劣化したりというように、お墓の風化が加速度的に進むようになります。
そのようにならないためには、目地の小さなひび割れの段階で早めに補修してあげることが大切です。
お墓には、一般的に「花立」「ローソク立」「線香立」という3種類の金物が使われています。
この金物の交換も、ご相談いただくことが多いメニューです。
古い花立はネジ式でアルミ製のものが多く、その多くは経年劣化によりネジの部分が固着してしまったり、割れてしまったりします。
また、昔のローソク立には風よけのカバーが付いていなかったため、風が吹く屋外ではほとんど用を足さないというケースが多いようです。
そこで、現在主流であるステンレス製の金物セットへ交換することによって、
・花立も脱着が容易になるため衛生的
・線香立も脱着が可能となるため、清掃が出来る
・ローソク立もカバー付きに変更することで、極端な悪天候以外は火を灯すことが可能
というように、お参りしやすくなります。
また、キレイなステンレス製の金物へ交換することにより、お墓自体の印象も随分変わるようです。
古い和型の場合、2段目の石(中台といいます)も4つ合わせの組み石で製作しているケースをよく見かけます。
この場合、時間の経過とともに背面の石がずれてしまう現象が多く見られ、そのまま放置しておくと骨穴の方へ石が落ちてしまったりします。
それ以外にも、凍害の影響などで石がずれてしまっている場合があります。
このような場合、石を本来あるべき位置に組み直してあげる必要があります。
なお、石の組み直しを行う場合は、同時に石のクリーニングも行ってしまうと効率的です。
「いつかは訪れるあの時」の際に必要となるのが、追加彫刻。
一般的な仏式の場合
・戒名(浄土真宗の場合は法名)
・俗名(生前のお名前)
・命日(お亡くなりになられた日)
・行年(数え年の年齢)
を彫刻する事が多いです。
すでに先に彫刻しているお名前がある場合、その文字の長さに合わせて原稿を調整する必要があります。
なお、弊社では戒名彫刻を承った場合は極力納骨のお手伝いに伺っております。
(日程調整の結果、どうしても伺えないケースなどもあります)
納骨を行うことは何度もあることではないので、石材店のスタッフがいてくれると安心できると言っていただける事も多いサービスです。
文字のスミ入れ | セル2 |
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戒名(法名)の彫刻 |